ラブドール恐竜的進化の時代が来た

多少なり歴の長いネットユーザーなら「ラブドール」という言葉を聞いた事があるだろう。総シリコン製の高級ダッチワイフのことだ。シリコンで作られた体は温度こそないものの、その継ぎ目の無い肌は人肌の様に柔かく、着せ替えをしての鑑賞は勿論、寂しい男性の夜のお供にもなってくれる。多くの男性が一度は手にしてみたいと興味を抱いてきたことと思う。

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しかしその夢を阻んできたのが価格の高さだった。

例えば国産ラブドールメーカーを代表する「オリエント工業」の古参モデル「プチジュエルF(バスト大・146cm)」は実に614,000円。そもそもが

・人肌並みに柔かい。

・成人男性が上で激しく動いても損傷しない頑丈さ

・精巧な外見

・数年単位で使える耐久性

という滅茶苦茶な要求に耐えようとすると、鉄の骨組みをシリコンで包んで、手作業で仕上げるしかなく、コストカットと言っても限界があったのだ。

 

独身のサラリーマンが頑張れば全く手が出ない価格では無い物の、良いものか悪いものかも分からない初めての嗜好品としてチャレンジするには高過ぎる買い物だ。

 

メーカー側も価格がネックであることは当然認識しており、廉価モデルの開発に腐心してきた。例えばこの下の「プチ・ナノ」は同じくオリエント工業の製品だが、ソフトビニール素材を手足等に使用することで20万円程度に価格を抑えた。

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更に別メーカーではポリウレタンを使用する等して8万円弱まで価格を抑えた製品も作成されている。

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しかし、これらはどうしても手足に継ぎ目が出来てしまったり、表面に皺が寄ってしまったり、そもそも肌触りが人肌とはかけ離れていたりと、世の男性が憧れてきた総シリコン製のラブドールとは一線を画す出来にしかならなかった。結果、オリエント工業が2001年に初めてシリコン製の製品を発売してから十数年の時を経ながらも、ラブドールはごく一部の愛好家だけが楽しむ非常に狭い世界の枠を超えられなかったのであった。

 

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!?

どうも今この業界に地殻変動が起きているらしい。

 

写真のドールはどう見ても継ぎ目も無いし、肌に皺も寄っていない、人肌のような質感をしていて、サイズ140cm、重量24.5kgとラブドールとしては平均的なサイズで、それでいて価格は5万円を割っている。例えるならセダンのガソリン車が突然10万円で売りに出された様な衝撃だ。

 

結論から言うと私は一線を超えてしまった。これだけは手を出してはいけないと思っていたのに。無意識の内に右手が動いてワンクリックで注文を完了してしまったのだ。私の人生はある意味終わった。そして、別の何かが始まってしまった。

 

しかし、この商品の怪しいことと言ったらない。異様な安さと出来、そしてamazonで売っていること。そしてどう見ても機械翻訳な日本語。どうも色々調べてみると様々な背景が有り、そして十数年間大きな動きの無かったアングラな業界に激震が走っている様だ。

 

ここでは、先程注文してしまった商品の現物としてどんな物が届くのか。また今業界に何が起きているのか、これからどうなっていくのかを考えてみたい。